Thursday, 26 February 2009

意識の闇


Goldfish memoryと最近ジジから言われているように,
私は見たこと聞いたことやったこと,どんどん忘れていってしまうのです。

なので,書いておかないと。

この前の前の週末,誕生日だったのを言い訳に一泊でケントというロンドンの隣の県,みたいなところに行ってきました。なんだか疲れちゃったので,田舎にいってのんびりして,ひたすら歩いてみたかったのです。

歩くというのは不思議なもので,常に場所を移動しているのです。
普段の目的地に向かって歩くのとは違って,歩くことそのものを楽しんで。
風の強さや向きも変わっていくし,においも,足下の感触も,目に見える色,形,textureとダイナミクス。

身体全体の感覚が刺激されるからか,いろいろな思考がめぐり,話も尽きない。なんだか意識の闇に閉じ込められていたものが湧き出てきたような気がしました。


話は変わって,田舎から都市ロンドンに帰ってきた3日後。「シュンキン」というお芝居を観に行きました。日本は世田谷パブリックシアターとこちら ロンドンのバービカンとコンプリシテというカンパニーの共同制作。イギリス人の演出家サイモン・マックバーニー(私はこの人の作品が好き!)が日本の役者 さんたちとつくったお芝居。主演は深津絵里ですよ。

終演後,無口がちになりながら,やっと口にした感想は「ヘビーだったね」。お話自体もヘビーなんだけど,それ以上になにかがある。
脚本も演出も演技も,作品としては本当に良くできていて,パワフルで,だからこそ余計にヘビーさがどんとくる。

私にとっては,しばらく私が忘れていた感覚あるいは感情を見た気がしました。日本にある何か独特の。ロンドンにしばらくいてすっかり忘れてた。
それは必ずしも美しいものではなくて,なにか暗くてどすっとした。

田舎歩きに続き,再び意識の闇をかいま見る体験でした。



意識の闇。無意識の世界。
陰(イン)と陽(ヤン)のように、普段の見慣れた風景の背面にいつもそっとくっついているのか。
はたまた右脳,左脳か。

この私の半分,もうちょっと放してやらないといけないなあ。

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