Saturday 17 December 2005

Long time...

もしたまにこのブログをチェックしてくださる方がいたとしたら,いやはや,大変ご無沙汰しました!あまりにも忙しく,あまりにもエキサイティングな日々を送っていました,この数ヶ月間。クリスマス休暇を前にして,やっと落ち着きました。最近やっていたこと,全部書きたいなあ,,,と思うのですがあまりにも色々ありすぎて,どこから手をつけて良いのかわかりません。と,同時に楽しかったとはいえ,過去は過去ですから。思い出を振り返っているよりも,今現在をより楽しくするほうが前向きな姿勢だなとも思い,いちいち過去の話を書くのもどうかと思う訳です。なので、ひとまず自慢っぽくラインアップだけしといて,あとは思い出したときにでもぼちぼち語らせていただこうかと思います。では,夏以降,面白かったこと,一覧表!

8月8日−20日 毎日じゃないです。ステフィ(Stephanie Schober)と音楽のジョン・マーク(John-Marc Gowans)とThe Placeで行われたChoreodromeで新作Catchのためにいろいろと試していました。

THE PLACE
STEPHANIE SCHOBER AND DANCE COMPANY

9月から,こちらの大学新学年度開始に伴い,2つの大学から教えのお仕事をいただきました。University of Surreyはロンドンから電車で30分ほどいったGuidfordという感じの良い街にある大学。ここにはダンス学部があります。ここでは最終学年(イギリスの大学は3年間)を対象に,コンテンポラリーダンステクニックとレパートリー。2年ほど前につくった作品and Breathe...から2−3分抜粋して教えました。それから2年生対象のコレオグラフィー(振付)。この仕事は怪我をして実技系が全く教えられなかった先生の代わりで入ったので,前期いっぱい12月で終了。テクニック,コレオグラフィーとも試験まで担当させてもらい,良い経験になりました。
もう一つはLondon Metropolitan University。こちらはロンドンの中心にある大きな大学。パフォーミングアーツ学科があり,私はボディコンディショニングとコンテンポラリーダンステクニックを教えました。なにが面白いって,前述のUniSとこのLondonMet
の学生のタイプの違うこと。UniSはイギリスでいうミドルクラスの子女たち,LondonMetはワーキングクラス,そして多人種。UniSの学生は人の話をちゃんと聞き,それなりにまじめに取り組みますが,LondonMetはクラスの途中でふらふら出ていちゃったりします。が、LondonMetのほうがエネルギーはあります。私はどっちも面白いなー,と思ってやってます。科目が科目ですからね。押し付けても仕方ないし。言われたことだけやってるんでもつまらないし。何はともあれ,私は「教える」というちょっと新しい経験をし,やっぱ自分の信じることを信じ通せば伝わるんだなあ,とか思っているところです。

話が長くなりつつあります。。。で,9月21日にには前にブログにも書いた,キャロルとの(Carol Brown) Wokingでのプロジェクト,Radiance-TOPOSのパフォーマンスがありました。コミュニティーとのプロジェクトというのは、普段やってるようなプロフェッショナルのとは本質が違うなあ,としみじみ感じました。最後には出演者全員,プラス企画した地域の政治家さんたち,皆さん一緒に一つのことをやりとげた満足感が感動となり,ハッピーエンディング!

TOPOS
©Ray Pettit TOPOS
TOPOS more photos
CAROL BROWN DANCES

そのあとすぐにDance Umbrellaという,ロンドンで毎年秋にあるコンテンポラリーダンスのフェスティバルがあり,いくつもの公演を立て続けに見て,ダンスを見るのはもう嫌になりました。普段,リハーサル,教え,と一日中ダンスの生活をしている上,さらにダンスを見るのはtoo muchでした。食べ過ぎで,もう何の味も感じない,って言う感じでした。。。
しかし!Rosemary ButcherのTATE Modernでのパフォーマンスは良かった!!インスタレーションと共に,一人のダンサーによるソロ3部作という思い切ったプログラムながら,振付家とダンサーとが時間をかけて,重箱の隅をつつくように,こだわりこだわりまくって作り上げたパフォーマンスはとてつもなく正直で,わたしの胸に迫ってくるものがありました。なかなかそういう作品って巡り会えないんですよね,コンテンポラリーダンスで。残念ながら。しかし,巡り会えた時は本当に貴重なものになります。このフィーリングであと1年は迷いなく踊っていけそうな気がします。,,,いや踊り辞める気ないですが,時々なんでやってるんだろう?と思うことはありますからね。ちなみにローズマリーは私ラバンにいたとき,コレオグラフィーの先生でした。私は相性がよく,いろいろお世話になり,影響も受けました。いつかこの方とお仕事できればいいなあ、と思っています。密かに。

11月1日。晴れてステフィの新作Catch,ほか2作品 Inside Us, Change, の今シーズンプログラムの初日。ラバンにて。ここだけの話,わたし的には今回,いつもほど思い入れが強くなかったのです。ほかにやることがたくさんあってあくせくしていたからか,それとも5年目の倦怠期か。もちろんそれでも自分のベストは尽くしました。リハーサルでも本番でも。この日はバイト先の劇場の友達がたくさん見に来てくれ,大変ハッピーでした。ラバンまではるばる(ラバンはロンドンでもちょっとはずれなのです)ありがたい!で,友人は当然ながら(?)ほかの重要人物(劇場のプログラマーとか)からも個人的にダンサーとして大変良い評価をいただき,良い気分でした。
このあと,同じプログラムでイギリス内をツアーしました。
11月9日 Colcester 教会を改造した劇場。柱や窓がそのまま残っていて,特別な空間でした。こうゆうところでパフォーマンスするのは面白いです。
11月12日 Bedford 大学附属の古い劇場。若い学生がたくさん見に来て,なんか嫌な雰囲気だった。気が散ってあまり良いパフォーマンスができなかった。
11月19日 Uley, Gloucestershire コッツウォルズのど真ん中にある小さな村にある,これも元教会の劇場というよりギャラリー。しかし,40人もの人が見に来た。見知らぬ人たちがはるばる車で周辺の村や町からダンスを見に来ると言うことに驚いた。霧のかかった谷にある美しい村でした。
同じプログラムでまた2月からツアーを再開します。

Stephanie Schober autumn 2005
Stephanie Schober and Dance Company. Autumn 2005 Flyer

ツアーの合間に5日間(11月13日ー17日)から,デンマークはコペンハーゲンに行ってきました。キャロルの新しいプロジェクト Sea, Unseaのリサーチのためです。Interactive computer graphicsを使ったもので,今回はひたすらいろいろなイメージと戯れて,どんな関係が築けるか見極めようと時間を費やしました。キャロルとコラボレートしているメタは建築家で,そのコンピュータグラフィックスを扱っています。で今回はメタの所属する王立建築学校から援助が得られたのでそこに行った訳です。デンマーク。スカンジナビアですよ。椅子のデザイン,すばらしいです。スカンジナビアの超シンプルかつ機能的なデザイン。徹底してました。しかもおそらくデンマーク人の生活水準は高いですね。ゴミ箱のようなロンドンに帰るのはちょっと嫌になりました。学校の所有する,これまた鳥肌が立つほど完璧にデザインされたアパートに泊まらせてもらい,ちょっと恐れ多かったです。プロジェクトのほうは,まと待った時間を費やせてとても良かった。キャロルと何かを深く追究したのも初めてだったし。まだ,作品をつくれるほどクリアなアイデアは集まらなかったけど,強い基盤を築いたのではと思います。テクノロジー系のものは時間かかかります。でも何かオリジナルなものが発見できると信じて取り組み続けるのです。

Sea Unsee reserch
Sea, Unsee. Choreography: Carol Brown, Architect: Mette Ramsgard Thomsen

テクノロジーということで,12月1日から4日にはノッティンガムにいました。そこでこの夏にドイツの元炭坑でお世話になったヨハネスの企画した,大規模なダンスとテクノロジーのフェスティバルDigital Culturesがあったので,私は夏にドイツでつくったポールのDying on my feet(私がつけたタイトルじゃないです)と,コペンハーゲンで取り組み始めたキャロルの作品 Sea, Unseeと,2作品,2日間,やってきました。パフォーマンス自体は好評で良かった。いろいろな人に会いました。こうゆう学会見たいな,人が各地から集まってくるところというのは,私はあまり慣れてないですが,不思議な場所だなーと思いました。みんな何か自分のためになるコネクションをつくろうと,歩き回り人に話しかけるんですねー。なんか表面的で,でも一概に悪いことでもなく、まあある意味一夜のどんちゃん騒ぎのような。。。まあ,そこにいるのは楽しかったです。でもちょっと後で人間不信と言うか,人間に対する興味を失いました。

DIGITAL CULTURES

Dying on My Feet
Dying on My Feet. Devised by Paul Verity Smith

そのノッティンガムに向けて,ポールとリハーサルするために,ブリストルへ11月24日から27日行ってました。ポールはちょっと大変のんびりしているのです。いつも。で今回もリハーサルをしいた大学が予想外に毎日4時に閉まっちゃったり,まあいつものごとくコンピュータのプログラムがうまく動かなかったりで,私が実際動いたのは4日のうち10分くらい!?それでも私はいつもその場にいて,何がおこっているのか把握することも大切だと思うので,一概に時間の無駄ではなかった(と思いたい)です。To Inhabitということを最近考えます。そこにいること,時間と空間を共有することにも大きな意味があるんじゃないかと。作品つくるのも,なんだかんだ人と人のコミュニケーションの結果ですからね。人との関係が自然と出るんじゃないかと。で,人との関係は時間と空間を共有することから生まれるじゃないかと。
そんな意味で,ブリストルやらコペンハーゲンに数日行って作業するのはいいなあと思います。ロンドンにいると一日に数カ所も移動して,教えやら,別のリハーサルやら,バイトやら,野暮用やら,やること多すぎて,年がら年中プロジェクトのこと考えてられないから。

あ,でまだ先があるんです。12月8日にはThe Placeで行われたWhite Christmasというクリスマス企画のパフォーマンスでキャロルのWokingでのダンス TOPOS の抜粋にちょっと新しい部分を加えてパフォーマンスしました。これは前日2日間集中で作り上げちゃったという代物。3人のダンサーは両手首と片方の足首に赤いライトをつけていて,お客さんはダンサーの身体そのものより,ライトの動きを見るという感じ。ゲストでWokingの小学校から一人女の子をよんで,彼女はうちらの周りを飛び跳ねていた。それもほかのグループ(その晩は6作品あった)にはない指向で,良かったんじゃないかと。気分良く終えました。

翌日9日にはブライトンの大学であったメタの企画した学会 Finding Fluid Formにて,キャロルのSea, Unseeの再演。これは残念ながら上手く行かなかった。学会と言う環境柄,1時間で全部セットしなければならなかったのと,劇場の設備が悪すぎて,上手くテクノロジーが働く環境を作り出せなかった。だから,パフォーマンスしたけれども,グラフィックスが勝手に動いてしまってコントロール不能。ちょっと焦った。けど私にできるのはget on with itってことで,どうせインプロだし,ま,ひたすらインプロし続けておいた。それが功を奏したのか,終演後フォーサイスとコラボレートしたことがあるというテクノロジーアーティストの人が「あなたはとてもいいダンサーだ。機会が会ったら一緒に仕事をしよう」と来てくれた。ありがたや。

FINDING FLUID FORM: ABSTRACT

それが今年最後のパフォーマンスで,その後現在に至る。今はしばらくほっておいたピラテスのコースの遅れを取り戻そうと,毎日スタジオに通う日々です。課題のエッセイ(レポートというのかな)二つもついさっき終え,肩の荷がおりました。来週はクリスマスですねー。時が経つのは早いです。。