Monday 20 March 2006

中国で踊ってきました。

3月12日から19日まで,中国に行ってきました。北京に4日間と上海に2日間。ロンドンから飛んでいるので,遠いですよー。北京までは10時間,上海ま では12時間かかります。帰り際,上海の空港からたくさん日本の各地へ飛行機が出ているのを見て,日本まで足を伸ばしておけば良かったな,と思ったりもし ました。

今回は去年の夏に集中で取り組んだ,ポールのテクノロジーの作品。(主に英語ですが少し日本語もあります。詳しくはこちらを。
http://katsurabbit.blogspot.com/2005_07_01_katsurabbit_archive.html

中国では3回パフォーマンスしました。

一回目はホテル内の晩餐会。Sino & UK Design and Cooperation Forumという学術大会の一部として行ったので,全員が初めて集う晩餐会の「出し物」としてやりました。こんなに人の気が散ってて,ざわざわしている中 で踊るのは初めて。豪華中華料理とどちらが人の注意をゲットできるか、勝負でした。

二回目は芸術大学内でまともな公演として。学生さんがたくさん見に来て,この人たちは単純に私がたくさん動くと喜んでいるのが,踊っているときに 感じられました。フォトスタジオでのパフォーマンスだったのですが,このスタジオ,壁と床がカーブでつながっているというちょっと変わったスタジオで,こ れがうちらのプロジェクションには意外に効果的で、もうけもんでした。目の錯覚でプロジェクションの画像に入ったり,出たりしているように見えるんです よー。テクノロジーもまともに動いてくれて,今回最高のパフォーマンスでした。

三回目は上海のデザイン会社。会社側のオーガナイズが超悪くて大変な思いをしました。しかも、直前まで順調だったテクノロジーさんが,本番狂っ て,散々。こんなに厳しい状況でのインプロは初めてかも。でも,私はパフォーマーとして最善を尽くしたので悔いはないです。後味悪いけど。

今に始まったことではないけれど,教訓ーテクノロジーを信用してはいけません! 働いてほしい時に働かないのがテクノロジー。道理がかなっている様で,かなっていないのがテクノロジー。。。

次回やる時はもっと信用できるものであるように,コラボレーターのプログラマーさん達,がんばってほしいです。

パフォーマンスのためにどこかに行くと,いつもそうなんだけど,今回もあまり周りを見て歩けませんでした。観光は一切無し。けど,北京で一回だけ ほかの人たちが機械をいじっている1時間に,地元の人たちの商店街に一人で繰り出してきました。その場所を発見し,歩き出した時はワクワク。離れる時はど んより。宿泊していた五つ星ホテルから徒歩5分,別世界。たくさんの人で活気があるものの,店の小ささ,人々の身なり,自転車で大荷物を引っ張っている様 子などなど,私たちの普段の生活から考えると,やっぱり貧しい。。。この世界に属していればきっと気にはならないのだろうけど,私は属さないし,ましてや 五つ星ホテルなんて非現実そのもの。日本人の私は中国人と同じような顔立ちをしているので,黙って歩いていれば誰も気づかないのですが,買い物したり,ま してや写真を撮ろうとすると,この場所では冷たい視線を向けられました。きれいな金魚を売っている人がいたので,身振り+英語で写真を撮ってよいか尋ねた ら,「No」って断られちゃいました。考えすぎかもしれないけど,部外者の私が,彼らの世界に干渉するのを拒絶された感じでした。

ほかにも北京,上海での路上体験や,「西洋からのインテリ集団」として訪問している大学の先生方の振る舞い、中国側の振る舞いなどを見て,中国内 でも,貧富,階級,または受けた教育レベルの差によって世界が分けられていること、そして当然ながら西洋と中国の文化の違いについて考えさせられました。 中国内の様子を見ると,違う世界は違う世界,お互い干渉しない方が良いように思えますが,西洋ー東洋という面で見ると,時代的にそうも言ってられないよう に思います。
草の根レベルで言うと,この大学の先生たち「私たちが西洋で行っている優れた方法を教えてあげる」という姿勢を取るのはどうかと思います。歴史と伝統のある中国のやり方を知らずにどうしてそんなことが言えるのでしょう。
日本もかつて西洋のものは何でも優れていると思っていた時代がありましたが,中国は今そのような状態であるようにも見えます。
難しい話になってしまいましたが,英国メンバーの一員として中国を訪問した日本人として,いろいろなことを考えさせられちゃいました。
ある意味,単純に観光でいくより,良い経験をしたかなと思います。

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